そして店に帰ってから、夕方からの営業準備に材料の在庫を確認していた。いつものように、乾物を入れた戸棚などをチェックしてから、最後に冷蔵庫を開けた。その時にチャーシューが食われている事に気付いたのだ。という事は、犯人は三時半頃から四時頃までの間にチャーシューを食したのだ。
時間の流れから言って、私が店を離れていた三十分程度の間と考えるのが正道だろう。だが、これから先、どのように推理していけば良いのだろう。色々と思いを巡らせるが、妙案は浮かばない。浮かんでくるのは苦労して味付けを覚えた、チャーシューの作り方だけだ。
本来、チャーシューという物は焼豚であって煮豚ではない。と考えているが、ここ広島では、ラーメンに載せるチャーシューは煮豚が主流になっている。そこに私は目をつけたのだ。トッピングとして煮豚もあって焼豚も有る。つまり二種類のチャーシューをラーメンに乗せてはどうだろうかと。
それを思い立ったのが、妻と別れてすぐの頃だから、もう二年ぐらい前の話だ。幾度となく煮豚を作っては捨て、豚を焼いては捨て、やっとたどり着いた味が今の二種類のチャーシューだ。原価で言えば少々高く付くのだが、二種類のチャーシューを載せるようにしてからは客受けが良くなった。それは、細々とだが商売を続けられているから間違いないだろう…自慢のチャーシューを食ったに続く。
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