脱いだ服はハンガーに掛け、原田の物と共にロッカー前にぶら下げた。背中の部分に印刷した店の名前、冨流が大きく目に付いたから間違いなく覚えている。その後、白いシャツ姿のままで、気になっていた封筒を手にした
。原田が出勤して来た時に、郵便受けにあったものを持って来てくれた物だった。すぐに開けなかったのは忙しい時間帯が始まろうとしていたからで、別れた妻が封筒をよこすのは、何か重要な事を書いて寄こしたのだろう、と推測していた。
ところが封を開けてみると、書かれた内容は子供の養育費の事だった。彼女は大きな勘違いをしている。通常養育費という物は、完全に自分の子供を相手に預けている場合のみ発生する問題で、私達みたいに、自由に子供を行き来させている時には発生する問題ではない。
と考えたが、そのまま手紙は封筒に丁寧に入れた。それが二時十五分頃だろう、正確な時間までは覚えていない。その後、ほんの短時間ではあるが、趣味にしている絵画を描く準備をした。雇われの身であった頃はパチンコ屋などに行っていたのだが、自分で店を出した当初、金銭的に余裕が無くて、何となくはじめた自分の趣味だ。
だが、描く対象物に興味がなくなり、新たな描写物を探そうと、目の前のコンビニに行った。それがたぶん三時過ぎ頃……いや、コンビニで三十分ぐらい客の仕草などを観察していたから、逆算すると既に三時半頃になる…夕方からの営業準備に続く。
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